上島の西約3・7キロの海上で船が衝突し、1隻が転覆している
15日午前11時45分ごろ、兵庫県姫路市家島町の上島沖を航行中の船から「上島の西約3・7キロの海上で船が衝突し、1隻が転覆している」と姫路海上保安部に通報があった。
同保安部と加古川海上保安署の巡視艇3隻が現場に向かい、状況を確認している。第5管区海上保安本部によると、貨物船と、クレーンを積んだガット船が衝突し、心肺停止の人を含め負傷者が出ているもよう。
上島は同市家島町の家島諸島のうち、家島本島の東約15キロにある無人島。
ついさきほどのニュースまだ たぶん実況見分が行われている最中であるとおもいますし 事故の被害状況も詳細ではないですね
貨物船とガット船が衝突したようです
ガット船というのは船の前部分にクレーンのついた土砂運搬船 乗船していたのでずいぶんイメージはわかります
貨物船は何をつんでいたかわかりませんが だいたいバラ積船というものは石炭であるとかそういうものを船倉に入れて運ぶもので 陸での荷揚げや積荷はその陸側の施設によって行われます
ガット船は業界の常識ですが運転が荒い。。。ある意味誤解もあるのですが。。。
なのですこし差別を受けます 瀬戸内海の航海もしていたのでわかりますが 瀬戸内の航海は技量が必要になります
経験でどうこういうものでもなく まずは技量 それと激務にたえ続ける忍耐力 ともかく激務の中夜でも昼でも働かないといけません
ちなみに経験者でも島につっこんだとか岸壁にぶつけた話を実際に知っている人の中で何人も見てきたので 「わしゃー50年無事故だわい」といってる人でも明日は加害者にも被害者にもなりえます
さらにガット船は前のほうに大きなジブクレーンを搭載していてそのアームを通って先端のガット(バケット)にワイヤーが滑車を通して繋がっているのですがそのガットをふりまわす加重をワイヤーを伝わって運転座席側で支えているのがガントリーといって大きな柱になります
そのガントリーが船のまん前にあるので前方が見えません
前方をクレーンのガントリーと座席で見えなくなっている状況での運転なので慣れないと他の船の運転をしている人がいざ乗ると 混乱するでしょうね
なのでブリッジの中では右にいったり左にいったりしながら前もたまには見ることになります ウイングが出てるとおもうのでそこからは前方が見えるのです
この事故はまだ状況がわかりませんが 貨物船はたぶんコンテナ船ではないので前方もよく見えるとおもいます
島がこのあたりにはあるので注意して進むことが必要ですが それにかまけていて見誤ったのかもしれません
私は昼でもレーダーをつけておくのですが 年配の人にはまだ目視で見るという人が多いですね
レーダーの便利なところは相手の船がどっちにどの速度で動いてるかモニターでみることができ その航跡を見れば自分の進行方向でぶつかるかどうか 知ることができます つまり速度を変えなければ(めったに変えることはない)ぶつかることが事前に予知できるわけです
なぜあまり速度を変えないかというと 船では船長がその到着時間に合わせて調整することが多く 潮やさまざまな条件を考えて決めているということ さらにエンジン効率は全速前進の80パーセントで進むことが燃費がいいわけです
さらにプロペラ効率はおそければ遅いほど有利なので このプロペラ効率とエンジン効率を考えて6-7割のスピードで設定しているとおもわれます ちなみに船の場合は回転数を上げるとか下げるという言い方をします
このあたりは船乗りでも知っている人はあまりいないでしょうね。。。まあ説明できない人は「経験だ」でかたずけるでしょうがwなにもわかっちゃいません
昼間の事故というのは目視に頼りすぎているのではないか?というのが私の見解です 見えなかったり見てなかったり 判断が遅いと事故につながります
もし相手が気づいていないならサーチライトで相手に向けてパッシング とか 汽笛を鳴らすこともできます
どちらもが気づいていないとこういう事故になるので よくよく気をつけないといけません
家島の出身者の人とも同じガット船に乗っていたこともあるので 少し心配ですが。。。
広い海でなんでぶつかるんだ?と疑問におもわれるかもしれませんが
たとえば船長が怖い人でそのとき当直で航海を任されていた別の人がその時寝ている船長に気をつかって汽笛を鳴らせない とかだってありえるのです
原因は常日頃 船長が怖いというだけですよね 皆夜中を徹して働いてるので 寝させてあげようとかいうやさしさも命取りになります
馴れ合いだけでは船乗りは務まりません
正しい海上交法規を守って 安全なご安航を